【練馬区教育委員会委託 子育て講座】一緒に、子どもの権利条約を学びましょう
第1回「子どもにとって、当たり前に大切なこと(権利)」
「子どもの権利条約」は,1989年11月20日(「世界こどもの日」)に国連で成立し、日本政府は1994年に批准(同意)しました。
昨年3月には、都議会で「東京都こども基本条例」が全会一致で可決されました。
👩差別なく 大切にされます。
👦子どもには 自由があります.
👦子どもは 暴力から守られます。
👩自分の考えを 自由に言えます。
👩ゆっくり 休んだり 遊んだりできます。
👦自分の持っている力を 伸ばすことができます。
子どもの権利について話してくださる
斎藤史夫先生(家政学院大准教授)を講師に招き、
「子どもにとって、当たり前に大切なこと=権利」
について、大人も子どもも一緒に学びましょう!
詳細
🌻日時:2022年9月4日(日)14:00~16:00
🌻対象:子育て中の保護者、子育て・子どもの権利条約に関心のある方ならどなたでも。定員30名
🌻会場:貫井図書館・視聴覚室(西武池袋線中村橋駅下車徒歩5分)
🌻参加費:200円(資料代)
🌻予約不要。当日会場受付
🌻企画・運営:ねりまチャイルド(練馬子どもの権利条例準備会)
7/24学習会「西東京市の子ども条例のその後」&「東京都こども基本条例」レポート
7/24に開催した学習会
「西東京市の子ども条例のその後」&「東京都こども基本条例」
レポートです。
①西東京市子ども条例その後 石田裕子さん
2018年 西東京市子ども条例ができ、その後、現在はどのような状況か?
●『ほっとルーム』という相談室を作った。
当初は、子どもの相談が少なく、
最近になって、ようやく、
●新学期や受験期など、子どもが揺れる時期は、悩んだら『
●コロナ禍の非常事態宣言の時、
子どもの意見を聞いて物事を進めることも、まだまだ、
今後、子どもたちにアンケートをとってみたいと思う。
●もっと子どもも声をあげて行かなくてはいけないし、大人も、
●副読本もできたし、大学生が協力してくれて、
これをどう活かしていくかが今後の課題。
②東京都子ども基本条例 きみがき圭子さん
東京都子ども基本条例制定に至る経過について
●青島都知事時代(1995〜1999)
●市民活動は継続しており、2000年に「
「子どもの権利条例制定」を求める請願活動開始。
●東京都が動かない間に、各自治体で、子ども条例制定施行していく。
2001年 世田谷区
2005年 目黒区
2006年 豊島区
2008年 日野市
2009年 小金井市
2016年 国立市
2018年 西東京市
2021年 江戸川区
2021年 中野区予定
2021年 武蔵野市検討中
★なぜ東京都に子どもの権利条例が必要か?
①国連からの勧告
②子ども施策の担当部署が一本化されてない
③児童相談所の23区への移管も始まり、都として支援する取り組みを始めなくてはならない
●2019年11月 国連子どもの権利条約批准25周年記念シンポジウム「広げよう!子どもの権利条約 つくろう!子ども条例」を都庁で開催
都の職員や各会派の都議が参加
●東京都の長期計画 未来戦略の中で「子どもの施策を第一に挙げる」というのが出てきた。これをチャンスに東京都子ども基本条例の原案を都議会定例会に提出。修正案が出た後、最終的な条例文が可決、成立。
●条例の主な内容
①こどもを権利の主体として最大限に尊重する基本理念
②こどもにやさしい東京の実現
③こどもの安心安全の確保
④子育て家庭、こどもに寄り添った多面的支援
⑤こどもの意見表明と施策への反映
⑥こども施策を総合的に推進する体制の整備
●この条例を活かすかは各自治体でどう使うかが問題。子どもや若者を大人のパートナーとして、条例をきちんと伝え、意見を聞き、反映させることが大事。
【意見交換】
●こどもは様々な課題を抱えている
●大人が、こどもの権利の必要性をわかっている必要がある
●練馬区にこどもの権利条例がないと知らなかった
●こどものために保護者支援が必要
●こどものあそぶ権利が守られていない
●自分たちでルールを決める活動を、学童でしている
●戦時下のこども時代の体験
●親の離婚→こどもの意見は?
●条例に「権利」が入っていないものがある
●授業で学べるとよい
●こどもの権利を学ぶと、実は先生も楽になる
●SDGsにからめるとよい
●失敗してもいい→
●教育虐待→実態把握が難しい
●受験がなくなれば…
7/24学習会「西東京市の子ども条例のその後」&「東京都こども基本条例」
①西東京市の子ども条例のその後
②「東京都こども基本条例」の都議会での通過した件の報告会
関心のある方はどなたでも参加できます。
予約不要。お気軽にお越しください!
【資料・会場代】300円
【お問い合わせ・ご連絡先】
nerimachild@gmail.com
090-1618-0775(宮崎)
永野佑子さん「人権教育としての性教育」レポート
永野佑子さん「人権教育としての性教育」レポート
2021/1/13@貫井図書館
特別支援学級の元中学校教員であり、現在は「性教協障害児・者サークル世話人」である永野佑子さん(性教協=“人間と性”教育研究協議会)。
「生きる力を育てる性教育」で読売教育賞・受賞(1989年)という経歴もお持ちの、永野さんから、「人権教育としての性教育」のお話を伺いました。
【永野さんのお話】
■人権無視の「練馬方式」
- 1966年板橋区立上板橋第三中学校特殊学級(当時はそう呼ばれていた)に就職して、1982年に練馬区立旭丘中学校、1993年に石神井中学校を経て2004年3月に退職。新卒から退職まで38年間特殊学級(今の特別支援学級)の担任でした。
- 板橋区では普通の障害児教育をしてきましたが、練馬区では当時(1980年代)、「練馬方式」の特殊教育でした。
- 小学校から「バカに勉強を教えてもしょうがない」と教科学習は無くて、体育と作業(小学校はのれんづくり、中学校はコンクリートブロックづくり)、調理学習など。
- 3泊4日の宿泊訓練が年3回、遠泳、登山、スキー、スパルタ、訓練方式、勉強一切教えない…
- 小学校から障害児をたたき上げ、中学校卒業で社会で働ける障害者にする→偏見、人権無視の方式だった
- 22年間教育実践で闘いに闘い…練馬方式はなくなった
■生徒たちの「問題行動」→性教育を開始
- 1986年、小学校では通常級で問題児であった子たち(発達段階9歳くらいで知的に高い子たち)が何人か入級してきて、性的な非行を起こす。
- 男女裸でセックスまがいのことも
- ほとんどお手上げ状態、当時まだなかった学級崩壊状態。
- 担任3人で話し合い、「私が性教育をやります!」宣言
- もともと、子どものためになる授業が好きだった
■性教育をした翌日から、非行がなくなった!
- 発達段階は9歳くらい…「9歳の壁」
- 学習の遅れはあるが、生活面などは通常の子と同じくらいできる力はある子たち。
- 「先生、ケツの穴から赤ん坊うまれんのか?」
- 仕方がないので「今日は何でも教える」「聞きたいこと聞いてごらん?」というと…
- 生徒から次々と質問が!
- 「白いものはなんだ?」
- 黒板に男女の下半身の図を書いて説明。「性器、卵巣、精巣。あれー男女とも左右対称だね」・・・教師もこどもと一緒に驚き、感心しながら進めていく。
- 「あの白いものは精子と言っていのちの素なんだよ。その時精子はまだ生きてるんだよ」というと、非行の子が立ち上がって「嘘だー、それはどこで習ったー!?」と叫ぶ。他の男の子たちも同じ気持ち。
- 男もいのちの半分を持っている。男もいのちを生み出す。「大切ないのちのもとを持っている俺…」→びっくり
- それまで、自慰の快感に後ろめたさを感じていた子どもたち。自慰を悪いことをしていると思っていた→悪いことじゃない→うれしい!!感動!!
- すごく荒れていた学級が……次の日から、非行がなくなり、勉強大好きに子たちに変わる。
- バカにしていた障害児学級が自分にとって大切な学級になり、先生を信頼して尊敬するようになった。
- 科学的な学びで自分の性が、自分自身が「尊い存在」という感動を覚えたからだと思う
■性教育=何を聞いてもいい時間、何でも話せる時間に
- 近くの児童養護施設から通う子もいた
- 子どもの中に、たまっていた人生の疑問、性の疑問
- 「先生、3人年子ってやりすぎかな?」「なんで親は別れちゃったんだ?」
■そのうち子どもたちは、勉強が大好きになり…
■1989年障害児の性教育は日本で先進的な取り組み→読売教育賞を受賞!
- 全国的にも、障害児の性教育がなかった時代
- 練馬方式の小学校からは、旭丘中は性非行がひどいと白い目で見られ、生徒を送ってくれない。
- 一方で、教育委員会の学務課学事係は「練馬方式じゃない学級があるのが、ありがたい」
→練馬方式の学級に行きたくない子を送ってくれた - 1996年性教育を実践していた人たちと一緒に、性教協・障害児サークルを立ち上げ
■2019年練馬区で、「モアタイムねりま」を立ち上げ
- 知的障害児の学校は→高等部までしかない
- 高等部卒業では、障害のこどもたちの学びが足りない
- 文科省がやっと障害者の生涯教育を推進する方針を出す。
- 同じ問題意識を持つ仲間と、「モアタイムねりま」を立ち上げ
- ここは知的障害の青年たちを尊重する教育、ユニークな場
- ここでも、性教育がメインの教育
- 人生に疲れて入ってくる子が多い
- 過酷な人生を歩む障害者たちに人生を学び直し、やり直す場が必要
■性教育をやると、子どもがいっぺんにかわる!
- イキイキする
- どんな勉強をしても活気がなかったのに…
- 性教育はノリノリ!
■世界中が性教育を推進するなか、日本だけ…
性教育を進めている。知らんぷりは、日本政府だけ…
- 「性交」さえ、教えてはいけないことになっている
- 学習指導要領では、小中では「性交」は教えてはいけないことになっている。高校では、受精の仕組みや感染症は扱うが性交に関する具体的な指導の記述はない。
- 中学の保健の教科書→裸の絵から、半そでの体操着を着ている絵になった
- 2003年七生養護学校性教育弾圧事件から教育現場に性教育が戻ってこない。日本政府は意図的に性教育をスルーしている。
- それでも今、性教育を広げる民間の動きが高まっている
- 「性は人権」、ジェンダー平等など様々な運動が広まってきている
- 声をあげないと!
■良書「あっ!そうなんだ性と生」
- 障害児教育は多様な子供たちに合う教科書がない
- その為多くの市販図書が、教科書として認められている
- 性教育の絵本『あっ!そうなんだ性と生』が、東京の障害児教育の教科書として採択!
- 子どもが在籍している特別支援学校・学級で申請するよう先生に伝えましょう。
■性に係るすべてを肯定的に受け止めることが大切
- “性教育旅芸人”と称して東京の性教育仲間で講演やら授業やらやってます。
- 学校で性教育をやらないため、現在、放課後デイや障害者通所施設等で性教育を教えている
- 「自分の性器をさわれない人」ときくと、必ず一人は手をあげる
- 小さい時から「そこはさわっちゃダメ」と叱ってくると、さわれなくなる
- ちゃんとほめる「さわれるのはえらい!」と。
- 性を肯定的に!
- 子どもの時から「ダメ」を言われ続けてきている障害児
- ダメの「ダ」と聞いただけで、パニックを起こす子もいる
■先生が「ダメ」と言わないー先生のセクシュアリティが問われる
- 教室で性器をさわっている場合は、授業がおもしろくないから
- この時、先生は「さわるな」と言わない
- なぜなら性→人間の中核、一番大切なもの→心を傷つける
- 「先生は注意しないでください」「何もしなくていいんです」
- 性はあたりまえのこととして教えていい
■性器の洗い方
- 男の子は、おしっこするとき、しっかりおちんちんを持つことを教える
- 包皮をむき、おしっこしたらよくふって、包皮にいれて、パンツにしまう
- この一連の動作、知的障害の子には案外難しい
- さわりたくない、痛いし…
- 自慰(自分で射精をすること)ができるまで試行錯誤、練習、悪戦苦闘する
- 性器を自分のものにすることは、実は難しい
■「性器いじり」ではなく「性器タッチ」
- 「性器いじり」(いじり=否定的)ではなく「性器さわり」「性器タッチ」といおう
「さわったらいけない!」は大人の判断
- 「さわっちゃいけない」ではなく、きちんと触れること、男子は包皮を引いて洗う(これが痛くて大変)、女の子も自分の手でしっかり洗うことの性器洗いを教えましょう。
■おふとんのなかで何をするかは自由
- おふとん→プライベートな場所、自慰行為は注意しない
- トイレは排せつの場→「トイレに行け」はあまり良くない。
- 性は排せつではない
- 「お風呂だときれいに洗えるよ」など促す
- 人権尊重、性を肯定する対応を
■自分の体が自分のものにならないおそろしさ
- 自分の体に、さわっちゃいけない部分がある→おそろしいこと
- 射精の瞬間が怖くて自慰ができない子もいる
■自分のからだは、自分のもの!
- 自慰は性的自立
- きちんと自慰ができるように教える→大切
- 幼児語の女の子の性器の名前をつけた
- 女の子「おちょんちょん」、男の子→「おちんちん」
- もともと人間は女性、そこから男性、女性と別れていく
- 自分の体、快感がわかることも、大切なこと
- 性を肯定的に考えることが必要
■真実を教えれば、こどもは発達する
■触れ合うことの大切さ
- 1999年性の人権宣言 「セクシュアリティの豊かな発達は触れ合うことの保障が必要」
- 障害児がべたべたすると「近い近い」と止めてしまうことが多い。これも性の否定。
- 第三者が止めるのではなく二人の関係だから、二人が良ければ止められない。
- べたべたした関係を克服するには「ふれあい文化の教育的保障」を意図的に取り入れること。
- 家でも保育園でもハグをたくさんしよう、抱き合うことが1番。腕相撲、おしくらまんじゅう、相撲、などなど。中学生以上にはパートナーチェンジのできるフォークダンスや社交ダンスを取り入れよう。
■2009年 ユネスコ「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」
- 世界の平和と持続可能な社会を目指すSDGsの考えともつながるが、2009年にユネスコから国際セクシュアリティ教育ガイダンスが出て、日本が無視しているうちに2018年に改訂版が出た
- ガイダンスは8つのキーコンセプトでできている。
- 1つめに「人間関係」、2は「価値観、人権、文化、セクシュアリティ」、3「ジェンダーの理解」4「暴力、安全の確保」、5「健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル」、6「セクシュアリティと性的行動」、8「性と生殖に関する健康」
- セクシャリティに肯定的に向き合うことが重要
- セクシャリティがゆたかになること=人格がゆたかになること
■セクシャリティの多様性
- LGBTとSOGI(ソジ)
- 性自認が重要(GI)
- その人の性はその人が決める
- 他の人が「おまえは男だ」等といわない
- 親がその子の性を認めないために、精神的に追い詰められた教え子もいます。
- まわりがどう容認するかが問題
- 思春期は「異性への興味」だけではない「同性への興味」もある(SO 性指向)
- 「男女交際」ではなく「おつきあい」といおう(性は多様、男女の異性愛だけではない)
■ダブルマイノリティ
- LGBTで、知的障害又は発達障害をもつ人
- 自分が何者かわからず、暴れていた子もいた
- 心が男性の子にとって、月経は「絶望」
- ピルで月経こなくなり、安定する人もいる
- からだを変えてよくなるひともいれば、かえって具合が悪くなる人も
- 戻そうとする人もいる
- …いろいろ
■障害者権利条約の意味
- 障害者だけじゃなく、それまでのすべての権利保障を示す包括的内容
- 今、障害者女性に対するセクハラ事件にかかわっていますが、加害者が知的障がい者の人権を考えず、法人の理事会が加害者を擁護するので、改めて障害者のジェンダー問題は困難な問題と考えています。
【会場からの意見】
- 乳幼児の頃からの性の肯定が大切であると再認識できた
- 性器は自分のもの、他人にも親にも、簡単には触らせない大切な場所であることを、子どもを育てる人は皆、ちゃんと認識しなければならない
- 性教育がヒューマンライツにつながる
- 平和の原点は、命
- 「おちんちん」のように、あまり恥ずかしくなく口にすることができる女性器の愛称?がないのは、「女性の人格が認められてこなかったから」という話に納得した
- 自分が尊い存在だと子どもに伝えるのは、大人の責任
- こういう目線があるんだ!と驚いた
1/23学習会「人権教育としての性教育」
1月23日(土)15:30~17:30@貫井図書館
学習会「人権教育としての性教育」
性教育とは…
男女の性別や性行為を示す「セックス」の教育ではなく、性についての意識、行動、能力、関心、表現などの人格に不可欠な要素であるセクシュアリティを発達させる教育であり、子どもから大人まで、全ての人が学ぶべき人権教育である。
学習会・テキスト『ゼロから学ぶ障害のある子ども・若者のセクシュアリティ』より
人権教育という観点から、性教育を学びます。
一緒に学習しませんか?
【講師】永野 佑子さん (板橋・練馬区の公立中学校教員を経て都留文科大学非常勤講師、全障研会員、季刊セクシュアリティ編集委員)
【日時】2021年1月23日(土)15:30~17:30
【場所】貫井図書館・視聴覚室(西武線・中村橋下車徒歩5分)
*緊急事態宣言による施設の対応により、施設の定員を「半分」にして開催いたします。
【参加方法】
- 会場:直接お越しください/資料・会場代300円
- ZOOM:ZOOM参加専用申込フォーム「人権教育としての性教育」より、お申込みください
関心のある方はどなたでも参加できます。
【お問い合わせ・ご連絡先】
nerimachild@gmail.com
090-1618-0775(宮崎)
10/25学習会レポート「今、子どもの居場所や子ども食堂では」
10/25学習会レポート
「今、子どもの居場所や子ども食堂では」
講師:佐藤 崇 さん
☆なゆたふらっと(子どもの居場所)の取り組み
なゆたに出会うまで
学生時代に所属のゼミ生たちによって大学内で始まった、自主夜間中学の活動に加わる。
そこの生徒さんの7・8割は在日韓国人のオモニたちで、識字(基本的な読み書き)のニーズが高く、彼女たちから「人は自身が学びたいことは幾つになっても能動的に学ぶもの」という、学びの本質を教えられた。
一方少数派だった登校拒否児たちとのかかわりに割ける時間が足りず、少し物足りなかった佐藤さんは、卒業後、登校拒否児のお母さん方が、当時行き場のなかった我が子たちのために共同保育の様な活動を始めていたなゆたふらっとの前身「友だちひろば なゆた」に出会うことになる。
なゆたに出会ってから
そこから20数年が経つ途中、在籍する子ども平均1~3名程度で推移する。
2011年の震災後、長年空席だった代表を現代表が引き受けると同時に、「なゆたふらっと」として再スタート。運営資金は、それまでの利用者家庭からの月謝制をやめ、代わりに関係者すべてが年度単位で出しうる任意の金額を、それぞれの出せるタイミングで入金していただく形式(0円も可)に変更している。
現在は、水・金曜日の午後、最大10人ほどの子ども達が利用している。
☆石神井ゆうやけ子ども食堂 の取り組み
取り組みのきっかけは、賃貸で確保している拠点を共同利用している教会の牧師さんより、「なゆたふらっと」と子ども食堂のしていることはかぶっているのではと言われ、一緒に要町の子ども食堂を見学に行った。
すごいと思って、2014年の秋より始めた。現在多い時で、50食くらい作って出している。
☆Q&A
① コロナ禍でやりづらいことは?
「なゆたふらっと」は40㎡ほどのスペースでやっているので、密を避けにくく、やむなく週一回に減らして、換気に気をつけ、消毒をするなどして対応した。結果オーライだが、現在まで一人も感染者は出していない。
「石神井ゆうやけ子ども食堂」は、お弁当に仕様を変え、持ち帰りにしてもらって対応した。状況が少し落ち着いてからは、子どもだけは、食堂で食べてもらうようにしていった。
② 逆に、コロナ禍で子どもが増えたとも伺っていますが…
春の一斉休校以降、まず登校児の出入りが増えた。彼らは以前からの子ども食堂の参加者。自粛生活が長引くと親子でストレスをため、なゆたに息抜き、気分転換にくるという感じ。また新規の不登校児も増えている。
食堂の方には、仕事が無くなったからだろう親御さんのところなどから、3件(10食)ほど新たに来るようになり、又、来なくなっていた子も復活した。余りのお米や野菜をつけて渡そうとすると断る人はいない。
③ この活動で大切にしていることは?
子どもが「決める」ということをいつも一番に考えている。大人のイメージで誘導せず、こどものタイミングベースで行っている。
☆その他の質疑応答
Q助成金の利用はありますか?
A何件か利用している。非常に助かっている。
Q行政との関わりは?
A練馬区には区民協働課があるが、区民の黒子というスタンスであり、年に2回ほど招集をかけてくるが、議題も用意されてない。区民の能動待ち。
唯一、こちらが要望した区内子ども食堂の一覧情報・マップづくりは実行してくれ、住民からの問い合わせにはそれを使っての情報提供はしてくれている。
Q区の生活保護課との関わりは?
A生活保護課が自主的に「子ども食堂」のチラシや先程のマップを生活保護世帯に配布するといったことはしていないと思う。
区内の他の子ども食堂の中には行政や学校に積極的にアプローチして独自に生活困窮世帯の捕捉に努めているところもある。
うちの子ども食堂は、ターゲットを貧困家庭にフォーカスし貧困対策上の費用対効果を狙う方向性はとっていない。もう一つの方向性として、“地域のお茶の間”的なイメージで子どもに限らず、だれでも参加できるようにしている。
それは居場所にくる子どもたちに、学校外には雑多で多様な大人の存在があることを見せておきたいという思いがあるから。
Q食材を企業や業者さんから定期的に仕入れていますか?
A定期的にはないが、スポットで、知り合いの業者さんや、個人のかたから、お米などをいただくことがあります。
また、近隣の体験農園に複数の子ども食堂共同で区画を確保しており、畑作業を年間を通じて行って採った野菜を一定程度確保、他の区画の方々からも野菜が集まってくる。子どもたちも、たまに気が向くと収穫に来ることもある。
Q「なゆたふらっと」も「石神井ゆうやけ子ども食堂」も利用者の条件はありますか?
Aないです。地域も、他区や埼玉県から来ていたお子さんもいます。
Q全国的な子ども食堂のネットワークはありますか?
A5000店くらい加盟している「全国子ども食堂ネットワーク」というのがあります。
「通販生活」がこの組織立ち上げ時に新宿にある社屋の会議室を、要町やだんだんさん、うちなどの活動先行者に提供してくれ、設立準備作業に大変助かった。
事務局機能は今も「通販生活」の社会貢献活動として位置づけられている。現在は立ち上げ希望者へのノウハウ提供や情報交換、各種食材・物資の支援や融通が中心ミッション。
ただ設立から5年以上経ち、会員数が膨大かつ全国におよんでいる。子ども食堂の活動では近隣地域同士でのつながり、ネットワークの方が実効性が高くなるため、各地域で小規模のネットワークもつくられ、二重構造になってきた。
Q不登校の子ども達を預かり、地域で活動を続ける中で子ども達に変化は?
A今の子ども達は、昔より学校に行かないことをそれほど気にしていないようです(それでも気にしています)。親御さんもしかり。
かつては、最初に親御さんと二人で見学にきて、親御さんだけが話して帰り、それきり、というケースが多かったが、最近は子ども単独で来てすぐなじむこともある。なかには一度も連絡とれていない親御さんもいます。子どもだけを預けられている感じが強くなり、かつての共同保育的な親が中心という運営スタイルから様変わりしている。
また、子ども食堂を始めたことで不登校児と登校児が一緒の時間・空間を共有するような場面が増え、お互いの境遇について相互理解が進みつつある感触がある。
Q子どもにとっての居心地の良さとはなんだと考えますか?
A僕らは、子どもに意図的に居心地よくいてもらおうと思ってはやっていません。こちらから、やるよー、やろうよーて感じではなく、何もしなくても別にOKみたいな、雰囲気でやってます(それが結果として子どもにとって居心地がいい、ということはあるかも知れません)。
ただ、やると決まっている日はいつ来ても開いていて、必ず誰かがいるという空間にしています。
☆最後に…
不登校児を預かり、施設自体も閉じた空間だった「なゆたふらっと」が、その延長線上ではあるものの、子ども食堂を始め地域との関わり合いができました。そのことで、地域の人達が受け入れてくれるようになり、子ども達にも地域にも良い影響が生まれたとのことです。
佐藤さん達のされている活動は本当に魅力的で意味のある活動だと思います。ゆるい中にも、静かな熱量を感じます。
私たち、ねりまチャイルドも応援します!
これからも頑張ってください!!
2020・10・25
11/8学習会「公営から民営へ、そして、ねりっこクラブへ~練馬の学童の現場で、何が起きているのか?」
11/8学習会
公営から民営へ、そして、ねりっこクラブへ
~練馬の学童の現場で、何が起きているのか?
練馬の学童保育は大きな変換時期に突入しています。
コロナ禍での運営形態の変化も大きなものですが、もっと長いスパンで捉えるならば、従来の「学童保育」から「ねりっこクラブ」への移行はさらに大きな変化となります。
練馬の全学童民営化の状況下で、子ども達はどうなっていくのでしょう?
練馬区の学童保育で働いて13年の井上さんが、現場からレポートします!
日時:11月8日(日)13:00~15:00
場所:貫井図書館(西武池袋線中村橋下車5分)視聴覚室
講師:井上真理子さん(練馬区学童クラブ勤務)
主催:ねりまチャイルド(練馬子ども権利条例準備会)
連絡、問い合わせ:nerimachild@gmail.com/090-1618-0775(宮崎)