9/4【練馬区教育委員会委託 子育て講座】一緒に、子どもの権利条約を学びましょう 第1回レポート
9月4日、ねりまチャイルド主催の
【練馬区教育委員会委託 子育て講座】一緒に、子どもの権利条約を学びましょう
その第1回「子どもにとって、当たり前に大切なこと(権利)」
を開催しました。
講師は、東京家政学院大学 生活デザイン学科准教授
の齋藤史夫先生。
ちなみに、ろう者の学生が入学したのをきっかけに、「近畿大学マスク」を着用することにしたそうです。
当日は、透明ですが、気流も研究された、しっかりしたマスクで、ご講演頂きました。
【経歴】
「子ども白書」の編集委員会事務局長
子どもの権利条約市民NGOの会専門委員31条の会
ふみちゃんのびっくり算数教室「YouTuberふみちゃんと算数少女隊」
「子どもの権利条約31条のひろば」
まず、自己紹介をかねて
「算数ショー・フィーバー」
参加者2人に出ていただき、ある計算をしていただきます。
17の位になると驚きの結果に…!?
会場から拍手拍手!
盛り上がったところで、講座のスタート!
【1】地球時代を生きる子どもたちとともに
1)地球上に存在するすべてのものが一つの絆によって結ばれている「地球時代」
今年の子ども白書には…
①コロナの影響
②気候危機は子どもの権利の危機
③ウクライナ
「子どもたちの手には食器と楽器と文房具を」
「対話を!」
という、今の問題も掲載されています。
地球全体の問題が、日本の、地域の子どもにもつながっている、それが「地球時代」。
2)世界で対話し深められ実現をめざす子どもの権利
「子どもの権利条約」の理念は、第二次世界大戦の反省から生まれました。
1951年 児童憲章
1959年 児童権利宣言
1979年 国際児童年
→ここでポーランドから「宣言より条約を」との意見が出て…
1989年 子どもの権利条約ができました!
そして
1994年 日本批准
となりました。
3)私たちはすべての子どもの幸福をめざす世界の一員
自分は
「研究的共同実践者」
であると、先生は強調します。
子どもたちとともに、研究しながら、実践していく。
たとえば実際に、子どもたちにアンケートをとり、子どもの声で、
教室にソファやココア!
が実現した公立学校もあるそうです。
(驚き&素晴らしいですね…!!)
「共同研究のよさ」は、「研究には失敗がつきもの(笑)!」
だから、失敗してもいいや~とトライできるところ。
折り紙で日本の模様を切り抜くシンメトリーについて教えていたら、
小学生が、
「図鑑もっていっていい?」
と、動物の切り抜きを始めたことが。
自分のすきなものについて、子ども自身が気づくきっかけになったそうです。
【2】子どもにとってあたりまえに大切なこと
①すべての子どものしあわせ
②子どもにとって一番良いこと
が重要とのこと。
1)権利?ザッツライト!
「権利」ときくと、日本語では重い印象ですが…
「RIGHT」
→英語では日常用語!
「All Right」
「That' Right」など。
だから、"あたりまえ”なのだそうです。
2)ひとが定住したのは、わずか1万年
それまで人類は、ずっと流動的な暮らし方、共同養育をしてきました。
子どもは、
あそんでうごいて
ひととつながって
まなんで
そだつ……
子どもは動き回る、跳び跳ねる!
流動的なのが、子ども。
2)4つの基本原則
①差別の禁止
②子どもの最善の利益(Best Interest)
③生命および生存・発達の権利
④意見を聞かれる権利(意見表明権)
3)権利の保有者としての乳幼児
声なき声を聴く、「乳幼児の意見および気持ちの尊重」も重要。
4)子どもの声をきき、話し合う
ホリスティック(全体的)
→それぞれの条文がかかわり合い、トータルで考える必要がある、とのこと。
【子ども時代を保障する6つの権利】
①子どもの生きる権利、命と健康が守られる権利(生存権)
→増える子どもの自殺
②安心して生活が守られる権利(生活権)
→生活がコロナでさらに厳しく
貧困層12.9%
準貧困層36.9%
③学ぶ権利、わかるように教えてもらう権利(学習権)
→増える不登校
「ぼくもうがっこういかない」
→フリースクールへ
④楽しく遊び、想像力を羽ばたかせていく権利(遊ぶ権利、文化権)
Leisure→自由な時間
英語には、日本語のような「余暇」の意味ない
日弁連も「休息、余暇も必要」と提言しています。
⑤失敗できる権利、やり直し立ち直っていく権利(更正権)
失敗をやり直して成功体験に変えていく
⑥取り仕切り、参加していく権利(自治権、社会参加権)
こどもにも、結社・集会の自由がある!
先生は、「作戦会議!」と題し、コロナでもできることを話し合う子ども会を開いたそうです。
そのなかで「昔のあそびは3密じゃない!」と気づく子どもたち。
たとえば…
- 気配斬り→2メートルの刀で目隠ししてチャンバラ
- 缶けり
- 鬼ごっこ
- かくれんぼ
【3】日本の子どもに子ども時代を
国連・子どもの権利委員会からも、日本へ勧告が出ています。
参考)2012年『うばわないで!子ども時代』
2019年勧告
「社会の競争的な性格より、子ども時代と発達が害されることなく、子どもがその子ども時代を享受するための措置を取ること」
【参考】韓国の子どもたち
■地域児童センター(日本の学童のようなもの)
- 7割が貧困の地域
- ドリームスタート事業
- 夢の出発に差別をつくらない
- すべての貧困の子どもにケアを、という理念
- 全国4000くらい
- 音楽→オーケストラに発展したり…
→文化を保障する水準がたかい - 夜ごはんもでる、毎日
- 親が夜も働く→国からお金がでて料理
- 基本的生活を保障
■子ども市民遊び場プロジェクト
- 子どもが区長にプレゼン→実現!
- 開設後、子どもの代表があいさつ
■子ども市民として…子ども図書館プロジェクト
- 図書館をつくった
子どもたちのゆたかな生活をどうしたらつくっていけるか
→素材がすぐちかく、韓国にある。
世界と対話しながら子どもの権利を深める
ことが重要!
とのお話でした。
【4】質疑応答
Q
子どもの居場所を開いている。
子ども時代を保障するために、どうしたらよいか?
A
共同して研究して実践するしかない。
映画『パラサイト』を製作したCJグループ
→韓国の学童職員50人を日本に派遣研修
アイデアが大切
31条のひろば→現場で悩んで交流している
考えてひろげていこう、ムーブメントに